家事が苦手でもええやないか。
家事苦手でもええやないか。
「女子たるもの家事を完璧にこなすべき!」そんな強迫観念のもと、ひとり暮らしを始めたばかりの私は、家事に燃えていた。そう、あの時は。だがしかし、実家で一切お手伝いをしなかった女が突然家事が出来る訳がない。私の脅迫観念は、私を脅すことは出来なかった。学生時代の私の部屋は、一言で言えば「滅茶苦茶」。だが幸いなことに、テレビでクローズアップされるような汚部屋ではなかった。なぜなら、ひとり暮らしの家には友人が集い、鍋やボードゲームなどをするからだ。こんな私にもそんな友人がおり、友人のために片づけをしたものだ。来客の予定がないと、まるで泥棒に入られたかのようであったが。また、突然の来客にも大変困った。片づけに30分程時間を頂いたものだ。下手すると、入場をお断りすることもあった。
そんな私だが、残念なことに外ずらが良いのである。まるで、部屋なんて散らかしていないような顔をして生活している。家事できますなんて態度で振舞っているのである。
その表の顔が剥がれたから、あの時の彼とはうまくいかなかったのかもしれない。青春の苦い思い出である。だが、一片の悔いはない。なぜなら、全ての経験が今の私に活きているからである。
あれから10年。果たして、家事ができるようになったのか。
否。
残念ながら、答えは否である。
だがしかし、家事をそんなにやらないで良い方法を編み出したのである。
それは、物は持ち過ぎないこと。
いらない物は捨てる。使わない物は捨てる。
持ち物が少なくなったことで、私の部屋は大幅に改善された。突然の来客には依然として困るが、せいぜい5分、いや10分程お待ちいただければ入場を許可することができるであろう。
家事能力は以前変わらず。
だが、こんなに住環境が改善されたのは、断捨離のおかげであろう。
すべてのズボラ女子よ、断捨離せよ。
そして、全国民よ、家事が苦手でもええやないか。
(ムミンブルーな日々からお引越し記事となります。初稿2020年9月20日)