人生30年経過!

人生30年経過しました。仕事のこと、好きなもののこと書き綴ります。

エアコンの掃除

主婦を悩ませるもの。その一つがエアコンの掃除ではないだろうか。自慢じゃないが、私は人生で一度もエアコンの掃除をしたことがない。しようとしたことはある。だが、壊してしまうのが怖くて辞めた。というのは、半分本当で半分嘘である。面倒だから。それが一番の理由である。

今の部屋に住み始めて、3年目の冬。とにかく部屋が寒かった。エアコンを28度に設定しても、全く効かない。寒い部屋でブルブル震えながら日々を過ごしていた。エアコンをよくよく観察すると、カビがすごい。風に乗ってカビ菌がまき散らされているに違いない。カビ菌が部屋に漂流している様を想像し、震えあがった。だが、エアコンの掃除をするのは嫌だ。そこで選んだのが、掃除業者であった。自分で出来ないのであれば、人にやってもらえばいい。金さえあれば、この世に不可能なことはない。フハハハハハ。

 インターネットで費用が安く、且つ口コミの良い業者を探し、八千円という高いような安いような値段で申し込みをした。掃除の日取りはスムーズに進み、約2週間後となった。手帳にもスマホのカレンダーにも、掃除業者が来る日として書き込んでおいた。業者が入っても恥ずかしくないように部屋を片付けなければ。よくよく考えると、エアコンの掃除をすることは、部屋の掃除をすることに繋がるではないか。一石二鳥なり。

 約束の日、掃除業者がやってきた。人生初のハウスクリーニングである。実家でもハウスクリーニングを一度も利用したことはなかった。作業者の写真を事前にアイコンで確認しいたのだが、まず男性であったことに驚いた。てっきり女性だと思っていたからである。人の良さそうなおばちゃん。主婦歴長い、家事なんてお手の物、お任せあれ。それなら安心して任せられそうだ。そう思って選んだはずが、男であった。別に男だから駄目だとかそういう訳ではないが、予想が大きく外れたことにまず驚いたのである。だがしかし、さすがに口コミが良かっただけあって、事前説明も丁寧でテキパキしている。掃除道具を床に直接置かぬよう布をひく等、好感を持てた。大袈裟な自家製ビニール袋でエアコンを覆っているのを見ると、やはり素人の私には出来ないと思う。では、作業を始めますという声と同時に、これまた家庭にはないようなお掃除機器を使って掃除を始めたのである。しばらくすると、真っ黒い液体が流れてきた。流れてきて、流れてきて、そして流れてきた。床に置いている大きな水桶にどんどん黒い水が溜まっていく。この黒い液体を流し続けるエアコンから出る風を浴びていたかと思うと、背筋が凍る。ひいい。「相当、汚れていますね。これでは効きが悪かったんじゃないですか。」「そうなんです。暖房を強くしても、寒くて、寒くて。」「古いエアコンなので自信はないですが、掃除をすればおそらく効きが良くなると思いますよ。」乞うご期待だ。俄然楽しみになってきた。黒い液体が流れ終わるのを待っている間、風呂場で外したフィルターを洗い始める。事前に「バスタブが汚れてしまうかもしれませんが・・・」と大変恐縮そうに使用の許可を求められたのだが、元々そんなにきれいではないのだから気にはせぬ。この大らかさがズボラ女子の美点と言えよう。それはさておき、フィルターを洗い終わり、黒い液体も流れ終わり、掃除もいよいよ終盤を迎えた。エアコンを丁寧に拭き上げ、フィルターをはめている様子を横目で伺うと、先ほどまでちらついていた黒いカビが消え去り、エアコンが白いボディに生まれ変わっているのである。掃除ってすごい。最後に送風設定にすると、今までになく風がビュンビュン流れてきた。すごい。ただただ、すごい。料金の支払いを済ませ、その瞬間から快適に部屋で過ごせるようになった。掃除は、偉大なり。

 

(ムミンブルーな日々からお引越し記事となります。初稿2020年9月20日