衝撃のバレエ!ムーミンバレエを振り返る。
(ムミンブルーな日々からお引越し記事となります。初稿2018年12月23日)
去る2017年4月のことだった。
フィンランドから国立バレエ団が来日した。
なぜ、フィンランド国立バレエ団が遥々日本に来日したのか。
それは、 ムーミン・バレエ を公演するためだ!
ムーミンがバレエを踊る!?
そんなシュールな舞台、これは行くしかない。
そう思い、迷わずチケットをとった。
ムーミン好きではない友人が私の娯楽に付き合ってくれた。
場所は渋谷のオーチャードホール。
劇場に着くと、多くのムーミンファンが並んでいた。
子どもが多かったが、大人のみの鑑賞者も相当の割合で居た。皆、物好きだ。
残念ながら男性は少なかった。こんな面白いものを観ないなんて損してやがるぜ。
バレエは2幕。
主催者側の都合により演目の順番が逆になり、第1幕が北欧バレエ・ガラ、第2幕がたのしいムーミン一家~ムーミンと魔法使いの帽子~となった。
結果的にこの順番で良かったかもしれない。
なぜなら、第1幕のバレエのシュールさがこの上なかったからである。
チャイコフスキーの悲愴はご存じだろうか。
哀愁、わびしさ、虚しさ、そうどちらかというと暗い曲だ。
そのチャイコフスキーの悲愴に合わせて、スキンヘッドに真っ白いチュチュをまとった男性ダンサーがソロで延々踊っているのである。
その衝撃、シュールさに私は唖然とした。
今も鮮明に思い出すことが出来る。今となってはムーミンよりもこの男の方が印象に残っているほどだ。
第1幕が終わり、休憩となった。
頻尿の私はトイレに駆け込む。だがしかし、既に長蛇の列が出来ていた。
女性客が多い劇場ではあるあるだが、ムーミンバレエは特に女性客が多かった。
結局、トイレには入れなかった。
尿意を感じながら、第2幕念願のムーミン・バレエが始まった。
映像にリトルミイが映し出されると歓声が上がる。
おお、なんと愛されていることか!
実物のリトルミイが飛んだり跳ねたりバレエを踊っているバックに怪しげなベッドが置かれていた。
もしや・・?
ベッドからのそのそと出てきた!
ムーミン!
ムーミンママ!
ムーミンパパ!
多分、フローレンも!(すまん、あまり記憶にない)
やけにシャープで鋭い顔面のスニフとリトルミイが機敏に踊るのとは対照的に、
のっそりのっそりと舞台を移動していくムーミン、ムーミンママ、ムーミンパパ、(フローレン)・・・
フィンランド人は日本人より体格があるからだろうか。
彼らはやたら大きかった。
こんなのっそりとした大きな着ぐるみを着て果たしてバレエなんて踊れるのか!?と思っていたところ、
ムーミンたちの見せ場がやってきた!
なんと、つま先立ちでバレエを踊っているではないか!
まわってる!
つま先立ちでまわっているぞ!?
劇場に響き渡る笑い。
バレエ鑑賞者が一同に笑いに包まれた場面に遭遇したことは未だかつてない。
なんて幸せな空間なのだろう。
スナフキンやモラン、飛行鬼も登場し、バレエは益々盛り上がりを魅せた。
最後のカーテンコールでは、写真撮影をOKとしていた。
ばっちりムーミンたちの勇姿をおさめてきたよ。
ひと際大きいモランに狂気の沙汰を感じる。
プロだな。
やたらシャープで鋭い顔面のスニフが気になって仕方ない。
*
ムーミンバレエを鑑賞したことは間違いなく私にとって貴重な経験となった。
また一つ新たな境地に至った気がする。
是非とも、再公演を!
そして、劇場女子トイレ問題を今後解決してほしいものだ。