人生30年経過!

人生30年経過しました。仕事のこと、好きなもののこと書き綴ります。

【絵本原画展覧会】心をつなぐあたたかな色 柿本幸造の絵本の世界

(ムミンブルーな日々からお引越し記事となります。初稿2018年11月3日)

 

小学校の国語の教科書に出てきた「くじらぐも」を覚えていますか?わたしもくじらぐもに乗って空を、街の上を、ゆらゆらと飛んでみたいと教室から想像をめぐらした人も多いでしょう。

あの印象的なくじらぐもの絵を描いた柿本幸造の展覧会に行ってきました!

<展覧会情報>

「心をつなぐあたたかな色 柿本幸造の絵本の世界」

武蔵野市立吉祥寺美術館(コピスの7階にあります!)

2018年9月29日(土)~11月11日(日)10:00~19:30

入館料:300円(お、お手頃!)

※詳細はこちら(武蔵野市立吉祥寺美術館公式サイト)

 

絵の情報量がすごい

温かな絵で印象的な絵本作家ですが、何と言っても一つの画面に凝らされた絵の精密さといいますか、情報量がすごいのです。秋だったら、秋の草花や行事が事細かく描かれている。お店の場面だったら、お店の商品がこれまた事細かく描かれているのです。一つの場面から得られる情報量が本当にすごい。いわさきちひろの絵に似た柔らかさを持っているのですが、ちひろが余白といいますか引き算を大切にしていたのとは違って、多くのことを絵で現し楽しませるというサービス精神といいますか、そういったことを大切にしていたのかなと感じました。

 

不透明水彩絵の具(ガッシュ)を使ったぼかし

透明水彩絵の具ではなく、不透明水彩絵の具を使ったぼかしの表現が印象的です。濃密な柔らかさがあり、生活感というか実態みたいなものを感じさせる表現だなと思いました。特にカレーライスの湯気を表現した絵は、匂いがしそうなくらいその様が伝わってきます。

 

かわいらしい子どもと動物たちと精密に描かれた乗り物との対比

日産自動車でポスターの仕事を受けていたこともあって、乗り物の絵の精密さがこれまたすごいです。もう写真そのもののようで、動物や子どもの絵とはタッチが違います。その対比がとてもおもしろく、癖になります。

 

世代的に柿本幸造の絵本は一冊も読んだことがなかったのですが、「優しくゆったりとした時間」という印象でした。「どうぞのいす」は今でも人気のある一冊みたいですね。とてもよくできたお話だなと感心しました(誰目線!?)。

私自身が学生の頃にオーケストラに所属していたこともあって、サン=サーンスの謝肉祭から着想した動物たちの絵が個人的には気に入りました。図録のカバーに使われていたのでついつい買っちゃいました。

図録は950円で、カバーの絵は二種類あります!

ゆっくりまわって所要時間1時間くらいでした。貴重な企画展なのでぜひ優しい世界に浸りに来てはいかがでしょうか?

(展示室入口前に展示されている絵は写真OKです♪)