アメリカの人気絵本作家マリー・ホール・エッツの「また もりへ」
今回紹介するのは、アメリカの絵本作家マリー・ホール・エッツの「また もりへ」
実はエッツの本に影響を受けた!という絵本作家は多いのです。
エッツの絵本は他の絵本にはない独特の魅力があります。特に印象的なのが「もりのなか」「またもりへ」といった白黒のみで描かれた絵本。
白黒=モノトーンっていうイメージがあって、一般的にはクールでスタイリッシュなイメージがあるけど、エッツの絵本は白黒にもかかわらずとても温かみがある。そこが他の絵本作家には無いなんとも言えない味わい深さを出しているのだと思います。
内容はもちろん子ども向けなので子どもが読んで楽しい絵本だし、本の装丁がとても可愛いので、大人にもおすすめできます。お部屋のインテリアとして飾っても可愛い。
それでは「また もりへ」の内容について紹介します。
「またもりへ」は「もりのなか」の続きです。
「もりのなか」は、男の子が紙の帽子とラッパを持って森を散歩すると動物たちがついてきて・・・!?という話です。続きは実際に読んでお楽しみください。笑
「また もりへ」では、男の子が「もりのなか」で出会った動物たちと再会し、動物たちと良いところ自慢大会をするというお話です。
きりんは首の長さを自慢し、
らいおんは”吠える”を自慢します。
猿はしっぽを使って身軽さを自慢し、・・・というように、動物たちはその特色を活かした特技を披露していきます。
最後は男の子です。
さて、男の子は何を披露したでしょうか?
そして優勝者は・・・!?
以下は完全にネタバレになります。
優勝者は男の子です。男の子は何を披露したのでしょう。
それは、”笑顔”です。
「これが、いちばん いい!」と動物たちは言うのです。動物たちは誰も笑えないと。
そして、最後におとうさんもこう言います。
「おとうさんだって、ほかに なにも できなくても いいから、おまえのように わらってみたいよ」と。
人は”笑う”という素敵な特技を持っていること。
それなのに、大人になるとその特技をなくしてしまうこと。
そんなメッセージが実は隠れているのかなと思いました。
私も、ほかになにもいらないからこの子のようにわらってみたい。
(ムミンブルーな日々からお引越し記事となります。初稿2018年8月22日)