子どもの頃クラスメートにきっといた。「ひめちゃんひめ」尾沼まりこ・武田美穂
(ムミンブルーな日々からお引越し記事となります。初稿2019年2月3日)
本日とりあげるのは、
「ひめちゃんひめ」 尾沼まりこ・文/武田美穂・絵
あらすじ☆
主人公の「ぼく」のとなりに住むひめちゃんは、いつもひとりで遊んでいるちょっとお澄まし女の子。
「わたし ひとりだって さみしくなんかないし、ぜんぜん へいきなの」と言うけど、本当かな?ある日、「ぼく」はひめちゃんのために泥だんごを作ってあげます。
そしたらなんと、ひめちゃんの家来にさせられちゃった・・・!?
武田美穂さんと言えば、「となりのせきのますだくん」
子どもの頃衝撃的で今も忘れられない絵本がある。それが「となりのせきのますだくん」だ。
確か主人公は内気な女の子で、そのとなりの席には怪獣の姿をしたますだくんが座っている。
怪獣の姿をした!?!?
ますだくんはちょっかいを出してはいじめてくるので、主人公の女の子から見ると乱暴者でいつも自分をいじめるますだくんは怪獣に見えるのです。
その「となりのせきのますだくん」という有名な絵本を描いたのが、武田美穂さんである。
子どものころ、クラスメイトにいた女の子と男の子を見事に表現した「となりのせきのますだくん」。
絵本「ひめちゃんひめ」の絵を描くには、うってつけの絵本作家だと思う!
不器用な女の子と優しい男の子
ひとりでも平気と言いながら本当は寂しいひめちゃん。ひめちゃんは不器用中の不器用で、友達の作り方がわからないのです。自分に優しくしてくれるとなりの家の男の子をなんと家来にしちゃいます・・・とほほ。
そんなひめちゃんの横暴ぶりに、嫌だ嫌だと言いながらも最後にはひめちゃんの寂しさを見抜いた男の子。
なんて、良い話なのでしょう!笑
今でこそ「ひめちゃんよ、そんなわがままじゃ友達できねーぞ?」と上から目線で言えますが、私の子どもの頃もひめちゃんっぽかったな~と思います。私のわがままが発動すると、一緒に遊んでいる子たちは付き合ってられねえ!と離れていきました。でも、そんななかにも私を見限らずに優しくしてくれる子もいました。そうやって失敗しながらも誰かの優しさのなかで、私は友達の作り方を学んで成長できたんだなと思います。今では友達の前でわがままを発動することもありません。笑
って、大人なんだから当たり前か!
「ひめちゃんひめ」は、本当は当たり前である子どもの不器用さと、優しさと、成長を描いた絵本だと思う。子どもが読んでも、大人が読んでもきっとおもしろい!