ベランダに知らない男が侵入し、警察に通報した話
(ムミンブルーな日々からお引越し記事となります。初稿2018年9月21日)
ひとり暮らしの恐怖体験をお送りします。
それは、上京して5年目、3度目の引っ越しから3か月経った頃でした。
当時の私は退職し、転職活動中でした。いわゆる無職です。
貯金も底が見え始め、誰からの支援も得られぬまま貧乏生活を送っていました。
そのような状況だったもので、新居のカーテンが買えませんでした。
仕方なしに手持ちのレースカーテンでしのぎました。
3階の角部屋で、近隣の家から部屋の中も見えないだろうと思い、それで良しとしておりました。
そんなある日のことです。
23時頃転職活動の準備をするのでもなく、いつものようにTVを見ていました。
TVは窓のすぐ横に設置されています。
その日はたまたま、レースカーテンの端がめくれていて、少しだけ外が見えていました。
外といってもベランダの壁が見えるだけです。
ふと窓を見た時のことでした。
レースカーテンの端がめくれて外が見えていた所に、一瞬水色のものが映ったのです。
窓に反射する水色の物なんて部屋にはないのに、変だな~?変だな~?と思って、
窓に近づいてみますと・・・、
!
今度はスニーカーが見えました。
スニーカーを履いた足が慌てて、ベランダから出てったのです。
!?!?!?
ベランダに知らない人が侵入した・・・!?!?
犯人を追いかけて顔を見てやる!
と思ったのですが、途端に怖くなり、あわてて、110番しました。
110番するのは、人生で初めてのことです。
「事件ですか?事故ですか?」
「・・?・・事件です。ベランダに知らない男が侵入しました。」
「なにかされましたか?」
「・・・直接的にはされていませんが、下着姿を見られました。」
私は恥ずかしながら下着姿でTVを観ていたのです。
「場所はどこですか?」
「ほにゃらら(住所)。」
「これから近所をパトロールしている者をむかわせます。」
「お願いします。」
電話が切れて気付きました。
・・・部屋がものすごく汚い!
どうしよう・・部屋の中に警察官入ってきたら・・・掃除!とりあえず片づけよう!
そこから謎のお掃除タイムが始まります。
ゴキジェットで仕留めたゴキちゃんが怖くて2、3日放置していたのですが、
一瞬にしてティッシュでつかみとり、ごみ箱に捨てることが出来ました。
・・・それでも汚い。散らかっている・・・お願い、警察官まだ来ないで・・!という願いは虚しく、
近所をパトロールしていた警察官がものの4、5分でやってきました。
状況を説明しました。部屋の中には入りませんでしたが、どうやら応援?の警察官がこれから来るようです。
「バルコニーの手すりに足跡があったから、あそこをつたって侵入したんだろうね。」
応援が来るまで駆けつけてくれた警察官は、建物や外の様子を確認していました。
その間、私は片づけをしていました。
15分ほど経った頃、二人組の警察官がやってきました。
ベテランのおじさんと若いさばさばした感じのお姉さんです。
部屋に入って、現場検証をするとのことです・・。
どうしよう・・・部屋に入ってほしくない。断りたい・・・自分で呼んじゃったけど。という私の思いは伝えられず、
無情にも現場検証と事情聴取が始まりました。
「職場でつきまといにあってない?お仕事は?」
「仕事はしていません。」
「無職?」
「はい。でも、明日派遣の事前職場見学に行きます。」
無職という言葉に途端に肩身が狭くなり、謎の今後の就職予定について説明してしまいました。辛い。
「この近辺でこういう事件が起きるのは珍しいな。おそらくこの辺りをよく知ってて、このマンションの侵入経路を知ってたんだろうなうんちゃらかんちゃら。部屋に明りがついてるのに侵入したということは強盗じゃなくて、覗き目的だろううんちゃらかんちゃら。」
ベテランおじさんが事情聴取をするなかで、若いお姉さんはベランダにあった足跡をとっていました。
こうやって現場検証をして証拠をとるのかと純粋に感動しました。
「被害届は出す?署まで来てもらう必要あるけど。」
「(面倒くさいので)・・大丈夫です。」
「もし、今日とった足跡が他の事件の犯人のものと一致したら調査協力をお願いすると思うけど良い?」
「はい。」
「こんなに警察がきて騒ぎになっているから今日は犯人戻ってこないと思うけど、怖いと思うから友人宅にでも止まった方がいいと思うよ。」
「はい。」
「カーテンを早めに買って、戸締りはきちんとしてね。」
・・・おかんやん。
この日以来、戸締りはしっかりするようになりました。
カーテンは・・・仕事が決まって収入が安定してから購入しました。その間、いらないシーツで窓を覆っていました。
そして、仕事があることの有難みを身を持って知り、断捨離を決意しました。
みなさん、上層階に住んでるから、治安が良いから、と安心しきってはいけません。
強盗、性犯罪者はみなさんが思いもよらぬ行動で侵入しましす。
事件が起こってからでは遅いのです。
防犯、大事!