人生30年経過!

人生30年経過しました。仕事のこと、好きなもののこと書き綴ります。

忙殺される日々に自分を見失った人に読んでほしい いせひでこの「最初の質問」

(ムミンブルーな日々からお引越し記事となります。初稿2018年8月20日

言葉ってすごい。

 

わたしが「最初の質問」に出会ったのは、長野にある森のおうちちいさな絵本美術館に行ったときだった。

いせひでこ展をやっていた。その時までいせひでこという絵本作家を知らなかった。

はじめて観たいせひでこの作品は身体に鋭く刺さった。その時の私にはなぜかとても痛かった。

研ぎ澄まされた、繊細な青。

 

そして長田弘の詩。

いせひでこの原画とともに一文一文読みすすめていく。とても静かな自分だけの時間。

 

最初の質問という題名どおり、ひたすらに質問が繰り返される。そして最後にのみ、たったの一つだけ主張がされる。

 

読み終わったとき、「ああ、私は生をないがしろにしている」と思った。

自分の生を。

 

地球に生きる生命として

社会に生きる人間として

どう生きるべきかどう生きるのか。

 そんなことを問われている気がした。

日々に忙殺され、思考を必要としない娯楽で日々を満たす。

そんななかで出会った「最初の質問」は私にとって一生のものになると思った。

 

人が人に何かを伝えるとき、多くの人は自分の経験から得た教訓や信念を語るので、どうしても説教じみてしまう。

私はそれがとても苦手で、「うるさい。あなたに何がわかるの?年上だからって人生の先輩面しないで。」と内心思ってしまう。

独りよがりに聞こえて、心に響かない。むしろうんざりして、逆に心を消耗してしまう。

そんな私にとって、意見を押し付けられるのではなく、質問というかたちで問われることが新鮮で、欲していたかたちだったのだと今となって思う。

 

言葉は使い方次第でいろんな側面を見せる。

言葉ってすごい。

詩ってすごいと思った。

 

 

「最初の質問」は国語の教科書でも取り上げられているのようなので、昔教科書で読んだ人も多いと思う。

ぜひ、いせひでこの研ぎ澄まされた絵と一緒に読んでほしい。